セイロン紅茶 - 産地ごとの個性を楽しむ
スリランカで育まれるセイロン紅茶は、その産地によって香り・味わい・水色が大きく異なります。
島国ならではの多様な気候と標高差、そして豊かな自然環境が、それぞれの茶葉に独自の個性を与えているのです。
たとえば、標高の高い地域ではすっきりと上品な香りを、低地ではコク深くしっかりとした味わいを楽しむことができます。
朝の目覚めの一杯から、午後のくつろぎのひととき、食後のティータイムまで――シーンに合わせて最適な紅茶を選べるのも、セイロンティーならではの魅力です。
ここでは、ウバ・ヌワラエリヤ・ディンブラ・キャンディ・ルフナといった主要な産地の特徴をご紹介します。
産地ごとの違いを知ることで、紅茶の楽しみ方がもっと広がるはずです。あなたのお気に入りの一杯を、ぜひ見つけてみてください。

ウバ (Uva)

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豊かで力強い渋みの中にもまろやかな甘み
世界三大銘茶の1つであるウバ産紅茶。
ウバ地域は標高が高く、冷涼な気候と豊富な雨量が茶葉の生育に適しています。
そのため、茶葉は高品質で、他にはない味わいと香りの銘茶を産みだしています。
紅茶の水色は、深く濃い赤色の美しい色が出ます。
これは、ウバ紅茶の特有の色合いで、他のセイロン紅茶と比較しても際立っています。
*高産地の紅茶(ハイグローンティー)
ウバ産紅茶 美味しい飲み方
・ミルクティー
ウバ茶の色合いの濃さと独特の渋みを生かし、ミルクのまろやさかとかけ合わせてみれば、まろやかさの中にウバの渋みが調和して美味しいミルクティーが出来上がります。茶葉はいつもより多めに使って濃いめに淹れるのがおすすめです。
・ストレートティー
キリッとした渋みの強さが自慢のウバ茶は、ストレートでそのまま茶葉の渋みを楽しむのもおすすめです。
ヌワラエリヤ(Nuwara Eliya)

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香り高いベルガモットと柑橘系の味わい
ヌワラエリヤ地域の高地で育つ茶葉は、昼夜の温度差が大きく、年間を通じて冷涼な気候が続きます。この気候条件では、茶葉の成長がゆっくりと進むため、柔らかく繊細な質感があります。これにより、抽出された紅茶は軽やかでありながら豊かな風味を持ちます。
味わいは、軽やかで繊細な風味が特徴です。フルーティーでベルガモットの花と柑橘系をかけあわせたような、優雅で上品な香りがあり、爽やかな味わいも感じられます。
*高産地の紅茶(ハイグローンティー)
ヌワラエリヤ産紅茶 美味しい飲み方
・ストレートティー
ヌワラエリヤ産の紅茶は、まるで上質な緑茶を思わせるような繊細さを持ち合わせた、非常に洗練された味わいが特徴です。
一口含むと、すっきりとした清涼感とともに、ほどよい渋みがじんわりと口の中に広がり、後味には爽やかで心地よい余韻が残ります。
その繊細で上品な香りは、まるで高原の風を感じさせるような清らかさがあり、飲むたびに気持ちがすっと整うような感覚に包まれます。このようなヌワラエリヤの魅力を最大限に引き出すには、ミルクや砂糖を加えず、ぜひストレートでお楽しみいただくのがおすすめです。
ディンブラ (Dimbula)

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バランスの取れた豊かな風味とバラのような華やかな香り
ディンブラは高地にあり、昼夜の温度差が大きい冷涼な気候が特徴で、茶葉に独特の風味と香りを与えます。風味は、しっかりとしたコクとまろやかな甘みがあり、適度な渋みもあります。香りは、フローラルな香りが特徴で、バラを思わせる華やかな香りが感じられます。
*高産地の紅茶(ハイグローンティー)
ディンブラ産紅茶 美味しい飲み方
ディンブラ産の紅茶は、爽やかな花のような香りと、ほどよいコクをあわせ持つバランスの良い味わいが特徴です。クセが少なく飲みやすいため、紅茶初心者の方から通の方まで幅広く愛されている、まさに“万能紅茶”といえる存在です。さまざまな飲み方でその魅力を引き出すことができます。
・アイスティー/ストレートティー
フルーティーでクリアな後味、華やかな余韻を感じられます。
・アレンジティー/レモンティー
リンゴやオレンジ等を使ったフルーツティーや
カルダモンやシナモン等のスパイスを入れるのもおすすめです。
キャンディ (Kandy)

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まろやかでバランスの取れた風味と美しい水色
キャンディ地域の紅茶は、標高が低めの地域で育つため、茶葉が大きくしっかりしています。
これにより、しっかりとした風味と口当たりが得られます。風味は、渋みが控えめで、軽い甘みとほのかなスパイシーさがあります。銅の色のような明るい水色と、風味豊かな力強い味わいが特徴です。
*中産地の紅茶(ミディアムグローンティー)
キャンディ産紅茶 美味しい飲み方
・アイスティー/ストレートティー
紅茶に含まれるタンニンという成分が少ないため、アイスティーにしても紅茶の水色が濁りづらく、キャンディが持つ銅のような明るい水色とすっきりとした味わいを楽しむことができます。
・ミルクティー
キャンディ産紅茶のもつ強い味わいとコクが、ミルクのまろよかさによく合います。茶葉はいつもより多めに使って濃いめに淹れるのがおすすめです。
・レモンティー/アレンジティー
クセの強すぎないキャンディ産茶葉に、レモンを入れてすっきりとした爽やかな味わいを楽しめます。リンゴやオレンジ等を使ったフルーツティーやスパイスを入れてみたり、様々なアレンジティーに向いています。
ルフナ (Ruhuna)

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重厚でしっかりとしたコクの濃厚な味わい
ルフナ産の紅茶は、低地で育つため茶葉が大きく、厚みがあります。このため、しっかりとした味わいとコクが得られます。わずかにスモーキーな後味で、チョコレートやキャラメルのような甘みを感じることもあります。蜂蜜やキャラメルにスモーキーさを掛け合わせたような、
個性的な風味と、濃い赤褐色色の濃厚な水色の色合いも特徴的です。
*低産地の紅茶(ローグローンティー)
ルフナ産紅茶 美味しい飲み方
ルフナ産紅茶は、濃厚な味わいと個性的な香りが特徴です。深みのある赤褐色の水色と、わずかにスモーキーで甘みのある香りが調和し、飲むたびにどこか落ち着きと温かみを感じさせてくれる紅茶です。力強く、芯のある風味が魅力で、アレンジ次第でさまざまな楽しみ方ができます。
・ミルクティー
オレンジ色と赤色に黒を混ぜたような濃さの濃い水色と、ルフナ独特のスモーキーさは、ミルクととても合います。茶葉はいつもより多めに使って濃いめに淹れるのがおすすめです。
・ストレートティー
コクのある味わいの中にも渋みがそれなりにあり、ルフナ独特のスモーキーさをストレートで味わうのもまた楽しいです。